Googleフォームで生徒の意見を回収して匿名性を活かす方法

アイキャッチ画像 授業デザイン

GIGAスクール構想が進む中、国語科でもICTの利活用が進んでいます。

生徒へ質問を投げかけ、その答えを回収することも非常にスムーズになりました。

しかし、生徒は自分の書いた文章がストレートにクラスの友だちにわかってしまう場合、思い切ったことが書けなくなることがあると思います。

そんな場合、標準化したコメントしか書けなくなり、思い切って深く切り込んだ答えを出す生徒が少なくなると、授業に深まりも生まれなくなります。

そこで今回はGoogleWorkspaceのアプリであるGoogleフォームを使って回答を回収し、その後、クラス内で名前を伏せて共有をする方法を説明します。

Googleフォームの設定

PCのイラスト画像

まず最初にGoogleドライブを開き、以下のようにGoogleフォームを立ち上げます。

Googleフォームの説明画像

そして、フォームに名前を付けましょう。今回は「無彩色の写真とカラーの写真を比べてどう思うか」とします。

Googleフォームの説明画像

質問事項を入力し、フォームに入力させる

Googleフォームの質問事項に以下のような質問を入力してみました。

Googleフォームの説明画像

次に右上の送信ボタンをクリックすると、以下のような送信欄が出てきます。

これでリンクを取得することができます。このリンクをClassroomに貼り付けるなどして、生徒に配信してください。

そうすると、生徒はフォームを開いて自分の答えを入力できるようになります。

Googleフォームから生徒の回答を回収する

Googleフォームの説明画像

真ん中の「回答」というところをみると、回答数が表示されています。

もう22個も回答が集まっているのです。早速開いてみましょう。

「スプレッドシートで表示」という緑色のボタンを押すと、スプレッドシートが現れます。

Googleフォームの説明画像

こんな感じになります。回答が続々集まってきて、意見を共有できるようになります。

でも、この「名前」を表示しないで、匿名性を保持しつつ、友だちに忖度することなく思い切った意見を書き込むことができるようにして、意見の質を上げたいわけです。

Googleフォームの説明画像

名前を非表示にする

Googleフォームの説明画像

そこで、名前の列をクリックしてアクティブ状態にします。

そのまま右クリックすると、以下のようになります。

Googleフォームの説明画像

この「列を非表示」というところを選択します。

名前が隠れました。タイムスタンプのところも余計な情報なので、同じような操作で非表示にしてもいいでしょう。

名前を非表示にしたまま、共有する

次に、このシートを生徒に見せたいので、共有する方法について説明します。

まず、スプレッドシートの右上にある「共有」をクリックします。

そうすると真ん中にこのような画面が出ます。

Googleフォームの説明画像

「編集者」にしないようにしましょう。

生徒に編集する権限を与えることになりますので、せっかく非表示を設定したのに、勝手に変更されてしまいます。

そして、「リンクをコピー」というところをクリックすると・・・

Googleフォームの説明画像

リンクマークのところにリンクが出てきます。長すぎるので、「URLを短縮」を選んで、短いURLをコピーします。

これをClassroomのストリームなどに貼り付けます。

生徒がクリックすると、名前が非表示になったスプレッドシートが現れて、友だちの意見を即座に読むことができます。

名前を非表示にするメリットとデメリット

PCを使う女性のイラスト画像

このように非表示にする方法は、以下のようなメリットとデメリットがあります。

【メリット】

個人が特定されにくいので心理的抵抗が少なくなる。

標準化された意見、均質化された意見を減らし、思い切った意見を書くことができる。

なかなか人前では出せない自分の深い苦悩や葛藤を表現するきっかけになる。

【デメリット】

個人が特定されにくいので、無責任なことを書く場合がある。

書くことに抵抗感がない代わりに、責任が薄れ、消極的になる生徒もいる。

私の使い分けはこうです。

小説などの読解の場合には匿名性を活かした方が深まります。

反対に論理的な文章で自分の意見を根拠を持って表現するときは、名前を表示した方が、筋道を通そうとする姿勢が出てくるので良いと思います。

生徒の意見を交流し合うことの効果

話をし合う女性のイラスト画像

ICTによって、情報をやりとりする速さと利便性は格段に向上しました。

以前は紙に書いて回収して、先生が分類、整理して切り貼りし、プリントして次の授業に配付していたのです。

それが今や、即時に意見交流ができるようになりました。

生徒は、書くときからすぐに他者に見られることを念頭に書きますので、主体的に意欲的に取り組みます。頭をフル回転して、言葉を紡ぎ出すのです。

そして、書き終わったらすぐに友だちの意見を読むことができます。

さっき考えたことについて、他者がいろいろな視点で書いてきたものを読むことによって、多面的な視点を得ることになります。

そして、自分の書いたものと読み比べで、さらに同年代の生徒がそういう考え方をしているのか、と非常に刺激になり、さらに考えが深まることでしょう。

インプットとアウトプットが非常に効率よくなされ、生徒の思考を深めてくれるのです。

まとめ

女性がPCを使って説明しているイラスト

今回は、ICTを使った基本的な意見交流の方法についてお伝えしました。

国語とICTはとても親和性が高いと思っています。

どんどん開発していきたいと思っています。

興味のある方はこちらもどうぞ。

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