国語の授業では、ストーリーの流れを確認する場面がありますよね。
今回は、その確認が個別最適化できて、なおかつ楽しく簡単にできる方法を紹介します。
まずは下の画像で、できあがりイメージを確認してみてください。それぞれの画像がJamboard上で自由に動かせるのです。
これは著作権の関係で、私自身が書いた画像を貼り付けているだけですが、この画像を挿絵やマンガのコマ割画像を貼り付けて、バラバラに置いて、生徒にストーリー順に並び替える問題を出すというのが、「並び替え問題」です。
今回はこれをどうやってJamboardで作成するのかについて説明します。
小学校の国語の実践報告がヒントに
この小技を思いついたのは、先週参加した国語教育の研究会でのことでした。
小学校2年生の国語、「スーホの白い馬」の実践報告でした。
それがとても素晴らしく、高校の授業にも活かせるヒント満載だったんです。
その中でも、「スーホの白い馬」の挿絵を並べ替える「前かな?後ろかな?」という取り組みが面白く、私のアンテナに引っかかりました。
小学生は、まだまだストーリー展開を覚えたり、整理したりができないらしいのです。
そこでその先生は、教科書の挿絵の画像を画用紙に貼って黒板に並べ、児童に並び替え問題を出していました。
これ、うちの生徒にやってみよう!ストーリーを思い描いてないし・・・・!
ということで、早速そこにアイディアの神様が降臨してきて、ICT活用を思いついたわけですよ!!!
GoogleWorkspaceのJamBoardを活用することに!
JamBoardの背景を用意する。
まずは、図のような背景画像を用意します。私はPowerPointで作成しました。
色々な教材で使えるように、右上の文字のコマはない方が良いと思います。あとで文字が必要なら、JamBoardの背景設定をしてから、テキストボックスで書いてしまえば良いと思います。
そうしたら、エキスポートを選んで、PNGかJPEGを選択して画像保存します。
画像でその方法を示しましたので、参考にしてください。
そして次にJamBoardの背景に仕込みます。
Googleworkspaceを開いてJamboardを開きます。
タイトルを付けたら、下の画像のようになりますよね。
「背景を設定」をクリックして、チェックマークのところをクリックして、先ほど作成した格子状の画像を指定します。
こうなるはず。
並び替えのカードを用意する。
そうしたら、あとは切り取り画像を用意して、取りこんでいきます。
Jamboardの左にある画像のマークをクリックします。そこに画像データを読み込ませてください。
私の場合は、源氏物語のキャラクター絵を取りこんでみました。
中学校や高等学校の場合、画像ではなくて、あらすじを書いた付箋でも良いと思います。
生徒に配信!
このBoardを用意して、GoogleClassroomの課題を配信します。
必ず、「生徒にコピーを作成」を選んでください。そうしないと、とんでもないことになります。
「生徒にコピーを作成」を選ぶと、生徒に一枚ずつJamBoardが配付されます。
生徒は楽しそうに並べ替えていました。たまに全然できない生徒がいます。友だちと一緒に楽しんでやってます。
その後、Classroomのフォルダに、生徒のJamBoardが入っていますので、進捗状況を管理したり、できた生徒の作品を写したりして、ストーリーを確認します。
いろいろな取り組みに応用
この並び替え問題はいろいろなことに応用できそうです。
- 説明文、評論文の要旨並び替え問題
- 説明文、評論文の構成を考えさせる問題
- 振り返りシートを授業ごとに記入し、ポートフォリオに
などなど、思いついたことを書いてみましたが、工夫次第であれこれできそうですね。
文部科学省の教科指導におけるICT活用についても、工夫改善は頻繁に謳われています。
教科指導でのICT活用については,個別指導やグループ別指導,教師の協力的指導等の指導方法や指導体制の工夫改善とともに,教育効果が期待できる指導方法として取り上げられている。
また,教科指導でのICT活用に関する記述は,情報社会の進展などの社会の変化を踏まえた特色を示すものであると考えられ,各学校が常に工夫改善を図りながら,社会の変化に対応した教育活動を推進することの必要性を示している。
常に工夫し、改善する姿勢でありたいですね。
まとめ:ICTを活用すると個別最適化&時間の効率化
ということで、あっという間に生徒一人一人、手を動かしてストーリーの流れを確認できる取り組みを紹介しました。
文章の流れを視覚的に確認する機会を作ってくれる。
手軽にでき、時間の節約になる。
個別に取り組むことができるので、個人の理解が深まる。
ICT活用は本当に可能性を開いてくれます。
まさに個別最適化&時間の効率化になりますね。
その分じっくり考える時間に充てることができます。
その時間を、思考力や判断力、表現力の育成に充てたいと思います。
付記
私も実際執筆陣に加えていただきました。
「学びの質を高める! ICTで変える国語授業3 Google Workspace for Education編 」
私の書いた3編の概略を簡単に説明します。
P68 デジタルコンテンツを一元化してシェアしよう
Googleサイトの有用性について書いています。データをサイトを作って科内で共有したり、教材データアーカイブとして生徒と共有したり・・・。使い道にわくわくします。
P96 Classroomをフル活用した授業をしよう
一つの単元のあらゆる場面で使うとしたら、どういう使い方ができるか、提案してみました。どの使い方もベーシックな使い方なので、入門編にはいいと思います。
P128 「コロナの時代をどう生きていくか」を考えよう
社会問題を授業のサイドメニューとして扱い、生徒のものの見方、考え方の幅を広げる取り組みを紹介しています、ICTのおかげで効率化できるようになり、隙間時間をうまく活用できるようになりました。
興味のある方は是非どうぞ!